有望シニア「モラトリアムおじさん」

 日経MJ 2017年8月16日(水曜日)より

有望シニア「モラトリアムおじさん」をどう動かす

 ひと研究所では、シニアの行動(積極的か、慎重・控えめか)、志向(伝統・保守好むか、変化・刺激を好むか)という2つの軸で6つのタイプに分けた。

 時代劇や演歌が好きといった「淡々コンサバ」、行動的で消費に積極的な「アクティブトラッド」というのが、これまで一般的にシニアと言われてきた層。だが、実際に調査すると、両者を合わせてもシニア全体の4割弱でしかいない。

 「ラブ・マイライフ」は最も積極的に行動し、変化や刺激を好み、好奇心を満たすためにはちゅうちょなく消費する。「社会派インディペンデント」は人とのつながりを重視し、新たな人脈を築くこと、世代を超えた交流などに意欲的だ。

 6つに分類したシニア層で最も人数が多いのが「セカンドモラトリアム」。4人に1人を占め、特に有望なのは、その男性、つまり「モラトリアムおじさん」だ。特徴は、社会に取り残される不安が強く、今後の人生をどう過ごしたらよいのかを模索している。今まで一心不乱に働き、築いてきた立場がリタイアにより失われ、振り返ると地域に友達はいない。これからの時間をどう過ごしたらいいのか分からない一方で、きっかけさえあれば動き出す可能性がある。